醤油は、下ごしらえに、調理に、仕上げにと、少し加えるだけで料理の美味しさがぐんと増します。
その魅力である独特の色、味、香りは、主な原料である大豆、小麦、食塩の融合によって生まれています。風味は大豆のたんぱく質、香りは小麦のでんぷんから、それぞれ微生物の働きにより醸しだされます。これらの原材料がじっくり時間をかけて発酵・熟成して美味しい醤油ができあがります。醤油によって、そのうま味の度合いやエキス分(無塩可溶性固形分)、色が異なります。日本農林規格(JAS)では、これらの違いを等級で分けています。色、味、香りでその特性が変わります。味の評価では、窒素分、エキス分、食塩分と分けられそれぞれが数値化されているのです。
醤油の塩分測定には、PAL-SALT、ES-421をお勧めいたします。醤油の塩分測定には、10倍希釈をお勧めいたします。
塩分濃度は、メーカー差があれども、濃口では14~15%程度、薄口は16~18%程度といわれています。減塩醤油などは、濃口の半分7~8%くらいに抑えているようです。醤油のエキス分(無塩可溶性固形分)は、可溶性固形分(Brix)から塩分を差し引くことで求められます。可溶性固形分の測定には、屈折計が使われます(詳しくはお問い合わせください)。
味噌といえば、日本人ならば味噌汁を連想する方が多いのではないでしょうか?味噌は、原料が持つ栄養素に加え、発酵によってパワーアップした成分がたくさん含まれます。地域ごとに特性が変わり、原材料により、米みそ、麦みそ、豆みそ、調合みそなどに分けられ、それぞれ大豆と米、麦、および食塩の配合割合が違います。
主な成分は、水分(40~46%)、炭水化物、たんぱく質、脂質、灰分などで、ビタミンやミネラルなども含まれています。味噌に含まれる塩分は、すべて水分に溶解して食塩水という形で存在します。そのため、水分量によって塩分の濃度は変わってきます。仕込むときに使う塩分は、通常12%前後で、豆みそや甘口みそはやや少なく、白みそや江戸甘みそはさらに少なく5~7%程度です。
ところで、味噌は醤油と違って日本農林規格(JAS)がありません。種類があまりにも多いため、規格を設けるためのグループ分けが困難であることと、味噌はいわば“生き物”であることが主な理由です。また、加熱殺菌していない製品が多く、その中に、酵母や乳酸菌が生きたまま存在していて栄養成分を消費しています。そのため、醤油における窒素分やエキス分といった理化学的分析値を設定・維持することができないのです。
味噌の精確な塩分測定にも、10倍希釈をお勧めいたします。味噌の塩分測定には、PAL-SALT、ES-421をお勧めいたします。