干物の作り方にもいろいろありますが、一般的なのは塩味をつけてから干す方法です。
魚肉に塩を加えると魚肉のたんぱく質に粘りが出ます。この状態で、低温で乾燥させるとたんぱく質の構造が変わり、身に弾力が出て風味が増します。さらに干す間にうまみ成分も増えて、干物ならではの味わいが生まれるのです。奈良時代の献上品リストにすでに載っていたそうですが、とくに食生活が豊かになっていった江戸時代には、干物は庶民の食卓にものぼるようになっていったようです。
日持ちのする干物は、当時から旅の土産として、お伊勢参りのお土産にもなっていたようです。
さて、干物は一般的な『塩干し』から、『煮干』、『蒸干し』、『焼干し』、『みりん干し』と様々ですが、いずれにせよ、塩水に漬けるというプロセスが必要になります。大体、10 ~ 15%くらいの濃度にすることが多いようですが、それも白身の場合と、青魚の場合で、青魚のほうがより濃い塩水に漬けるようです。また、魚の脂の加減で、塩水濃度を調整したりもするようですし、濃度によって漬け込む時間も変わります。漬ける塩水の塩分濃度が適正か否か、いつもと同じ濃度か否かを確認するにはPAL-03Sがお勧めです。(比重計をお使いのお客様は、単位がボーメや比重のモデルもございます。)
漬けた魚を干す前や干した後に、塩の染み込み具合を見る場合には、魚に直接挿して測定ができるPAL-干物・切身がお勧めです。染み込み具合によって、大辛口、辛口、甘口などと分けて業者に卸す場合の目安計としてもご活用いただけます。