水溶性切削油の管理においてもっとも重要とされる濃度管理
水溶性切削油(クーラント)は、濃度管理がもっとも重要とされています。
使用中の液は時間と共に濃度が変化するため、適切な濃度を維持することが大切です。また、放置していると、劣化し匂い(悪臭)などのトラブルが発生しやすくなります。腐敗防止のためにも濃度管理を行いましょう。
水溶性切削油(クーラント)の濃度管理には、一般的に、屈折計(糖度計)が使用されています。PAL-101Sは、切削油の濃度管理・希釈倍率の測定にお勧めです。小型サイズで持ち運びができるため、現場での使用に最適です。
水溶性切削油の濃度が低すぎる可能性があります。濃度測定を行い、適正濃度にしてください。
水溶性切削油の濃度が高すぎる可能性があります。濃度測定を行い、適正濃度にしてください。
油剤が腐敗(劣化)している可能性があります。濃度管理を徹底してください。
また、 微生物の増殖は、 油剤を腐敗さ せ加工不良を生じさせるなどトラブルに繋がります。微生物の増殖は、 弱酸性から弱アルカリ性のと きに起きやすく腐敗が進むと pH が低下するた め管理の指標になります。pH管理も合わせて行いましょう。
適切な濃度を維持することで腐敗の進行を遅らせる効果があります。
泡抑制特性に優れた切削液や泡抑制剤もありますが、
まずは濃度が適正であるか確認してください。濃度が高すぎる可能性があります。
微生物の増殖を抑制するには、濃度管理を行い、適切なpHを維持する事が不可欠です。腐敗させてしまうと、 全交換を余儀なくされコストがかかってしまいます。腐敗防止に努めましょう。
作業者の経験と勘ではなく、濃度計で数値管理することで経費削減できます。
濃度計で水溶性切削油の濃度を数値化することで、
職人技術を経験の浅い作業者に継承していくことができます。
さまざまな分野で利用されています。
ナックルステアリングの穴は、ドライブシャフトが通る箇所なので加工面がザラザラになってしまうと性能に直結することから加工精度が求められる部分です。材質はアルミのため、溶着の恐れから濃度をBrix13.1~13.5%と高めに維持して加工されています。
伝承された技術に関わることもあり、どの工程でどのように濃度管理がされているかまでは公開していただけませんが、あの小さな体を構成する部品一つ一つがいかに精度を要求されているかは想像するに難くありません。
アルミ素材の加工に対しては切削油濃度を3~7%に、難削材では8~11%と少し濃くして加工されています。夏は蒸発によって濃度が濃くなる傾向があるため濃度を少し薄くし、冬場は反対に濃度を少し濃くするなど季節による微妙な変化も考慮しながら濃度管理をされているそうです。
筐体には切削油に含まれるアミンに
強い素材を使用
かざすだけでデータが転送できる
NFC(近距離無線通信)
充実のアフターケア
メーカー直販の安心感!
MADE in Japan
2年保証
水溶性の油剤は、
原液を水で希釈して使用します。
これらの希釈倍率の管理(濃度管理)をしっかりと行うことは、加工精度を安定させ、
品質を保ち、また事前にトラブルを
防いでくれます。
初期の希釈において、屈折計を用いることで適切な濃度に希釈されているか確認できます。適正濃度は油剤の種類や加工条件によって異なりますが、例として、切削加工の適正濃度は5~10%くらいといわれています。
希釈濃度は、油剤メーカー様からも提供されていますが、あくまで使用可能な濃度ですので、ワークの特徴や要求精度を満たす濃度は、作業者が独自で研究しなければなりません。数値による加工技術や技能の向上が促進されます。
荒化工を低濃度で行い、仕上がげ加工を高濃度で行うことで、原液使用料を月間数千円分削減した事例が報告されています。これらは、屈折計を使用すうることで実現可能ですが、多くの場合、加工者の勘に頼り失敗しています。
タンク、浄化槽、噴射口の3か所の濃度を測定することで、作動油などの混入の影響や、浄化、湯醤油の除去効果など濾過槽の働きを確認することもできます。
適切な濃度管理を行うことは、油剤の腐敗の進行を遅らせる効果があり経費削減につながります。また、腐敗防止は、多量の廃油のがっせいを防ぐため、環境への配慮にもつながります。
使用中の液は、時間とともに水分の蒸発及び工作機械や加工部品への付着などにより濃度が変化します。これを初期の希釈濃度になるように補充するときに屈折計で濃度管理します。
濃度が高すぎる場合に最も懸念されるのが肌荒れです。反対に濃度が低すぎる場合は、機械を錆びさせる可能性があります。
撹拌性が良い切削油に限りますが、屈折計を使えば、バブリング中に水と現役をタンクに直接入れて濃度測定をしながら調合することも可能です。
持ち運びに便利!
PAL-101SとPAL-pHのキャリケース入り
セットです。
※pHメーターの校正用標準液(4.01、6.86、9.18)
各1本 約10mL付属
屈折計での濃度測定は、エマルション、ソリュブル、ケミカルにおいて可能です。 なお、乳白色のサンプルや、他の油を含むサンプルは測定値が安定しないことがあります。液を測定部にのせたら、お箸のようなものでクルクルかき混ぜてから測定すると安定します。
屈折計は、屈折率から換算した目盛でBrix%という単位を使用しています。そのため、屈折計で油剤を測定したときのBrix%と、油剤の絶対値濃度は異なります。日々の工程管理では、屈折計の単位であるBrix%を活用する場合と、実際の濃度に換算する場合があります。絶対値濃度に換算するためには、以下の例に従って換算グラフを作成し換算係数を出すことで、濃度の絶対値を求めることができます。
原液10gと水90gを混合して、濃度10%の液を作成します。この液を屈折計で測定すると、Brixが4.0%だったとします。そうしますと、換算係数は、10.0/4.0=2.5になります。以後、この切削油の希釈液においては、屈折計の測定値Brix%に2.5倍した数値が実際の油剤濃度になります。
※ 離型剤は黒色サンプルは測定できません。白色のみ測定可能です。
※ 連続測定タイプの使用は、運用環境にもよりますので弊社営業部までお問い合わせください。
pHは水溶液の酸性、アルカリ性の
度合いを表したものです。
pH7.0が中性で、それ以下になっていくと
酸性を増し、それ以上になるとアルカリ性を
増していきます。
水溶性の油剤は、pH8.5~9.0の弱アルカリ性の
ものがほとんどです。
水溶性の油剤の一般的な使用環境は、微生物(バクテリア、酵母、黴)が繁殖するための好条件下にあります。微生物の増殖は、油剤を腐敗させ加工不良を生じさせます。さらに、防錆性も低下するため加工部品や工作機械に錆が生じます。また微生物の中には、ひどい腐敗臭を放つものもあり工場内の作業環境の悪化を招きます。
微生物の増殖は、弱酸性から弱アルカリ性のときに起きやすく腐敗が進むとpHが低下するため管理の指標になります。また、pHが高過ぎる場合もよくありません。皮膚はアルカリに侵されるのでpHが高い油剤は皮膚炎が生じやすくなります。
●作動油(水-グリコール系)とpH
作動油(水-グリコール系)においてもpHの管理を行います。
新油の場合、pHは10.0でpH9.0~11.0が適正です。pH9.0未満になると劣化が始まり、
pH値が低くなるほど劣化が進んでいます。
従来のpH計はガラス電極が突起状で割れやすく、割れると徹底清掃というイレギュラーな作業が発生してしまいます。PAL-pHは大きな負荷にも耐えられる丈夫なガラス電極を開発することに成功しました。異物混入やケガのリスクを抑え、毎日気兼ねなく使うことができ、保存液も必要としません。アミンを含有している切削油をお使いの方にもおすすめです。
測定範囲 | pH0.00~14.00 |
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分解能 | pH0.01 |
測定精度 | pH±0.10 |
校正 | 校正(pH4.01,6.86,9.18) |
使用環境温度 | 10~40℃ |
サンプル量 | 0.6mL以上 |
電源 | 単4アルカリ乾電池×2本 |